第2回『清々しいほどダメだった去年』
考えられないほどの大凶作。
こんな日が来るとは思わなかった。
3割減ならあり得ると思っていた。
まさかのアカシアほぼゼロ。
近くの養蜂家も全然採れないと言っていた。
草野よりずっと長く養蜂をやっているベテランの方でも、人生で一番悪いと言っていた。
(後からわかったことだが、ヨーロッパの方でも大凶作、新潟より北ではそれなりの実績だったらしい)
言ってしまえば小手先だけではどうにもならなかったわけだ。
清々しいほどダメで、ある意味すっきりした。
くよくよしなくて済んだ。
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なんとなくここ数年、うまくいかないことが続いていた。
仲間とダメだった年の次の年は良い年と言い続けて、良い年が来なかった。
昔はもっと簡単に蜂が飼えたとベテランは言っている。
ただただミツバチの数と収穫量だけを見たら、12年前(草野が仕事にする前の見習いの年)が一番成績が良かった。
第3回へ続く