セイヨウミツバチか、ニホンミツバチか

最近あった問い合わせ内容の話題。

どちらがいいと思います?笑

ちなみにはちみつ草野で飼育しているのはセイヨウミツバチです。
(注:結論、どっちがいいという話題ではないです)

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日本にいるミツバチは2種類。
セイヨウミツバチと、ニホンミツバチです。
同じミツバチはミツバチなんですが、異なる点が多く、同じようには飼育できません。

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さて、ここからは草野個人の考えで万人に当てはまるわけではありません。

セイヨウか、ニホンかと言われればニホンと答える方が多いかと思います。
なんとなくセイヨウ〜なんていうと外国から入ってきた外来種的な響きに聞こえてもおかしくありません。

では、なぜはちみつ草野はセイヨウミツバチなのかというと、

  『養蜂業を始めた当時、じいちゃんが飼育していたから』

というのもありますが、ある程度経験を積みいろいろなことがわかってきた今思えば、

  『そもそも選択肢はなかった』

といったところでしょうか。

ニホンミツバチはどちらかといえばホビー向け。
なぜかというと、
①逃去癖があるので生業にしようとするとリスクが大きい
②蜂蜜を集める力はセイヨウミツバチに劣る
③セイヨウミツバチ最大の敵ヘギイタダニの被害を受けない
④温厚

対してセイヨウミツバチは生業向け。(もちろんホビーにも)
なぜかというと、
①逃去癖がない
②蜂蜜を集める力が強い
③攻撃的にもなりうる
④増やしやすい
⑤移動が容易

そういうわけで、ニホンミツバチでは生活していくのはとても厳しいなと思います。

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しかし時代は変わって、なんでも仕事にできる時代になりました。
「それを生業としてやっていけるんだ」
「それは思いつかなかった」
という場面が増えてきました。

ですのでニホンミツバチも、やりようによっては十分生業になりうる時代になったのかなと思います
(実際生業にしてられる方もいるでしょう)

うーん、まずははちみつの値段10倍からかな笑

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最後に、それぞれのミツバチのいいところを一つ挙げるとしたら、

ニホンミツバチ
→自生しているものがほぼなので、その地域の自然環境のバロメータになる

セイヨウミツバチ
→数をどんどん増やして移動できるので、野菜果樹の花粉交配のお手伝いに行ける

セイヨウミツバチの幸せとは

結論から申し上げますと、草野自身、これに関して自信の持てる解答が得られていません。
今回はセイヨウミツバチにしか当てはまらないことがいくつか出てきます。

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先日、娘の習い事で、『動物園の動物と、野生の動物どちらが幸せか?』というディスカッションがあったそうです。
そこらで野垂れ死ぬことが茶飯事であろう野生も嫌だし、自分が宇宙人に攫われて檻の中で行動を制限され観察されるのも嫌だし…考えれば考えるほど、深みにはまって答えが見出せません。

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さて、先日こちらでみつばちの搾取について書きました。
そこでは、『無理なはちみつの収穫』を搾取としました。

いや、そもそもはちみつを採ることが搾取なんじゃない?
『余裕のあるはちみつの収穫』も根本的には搾取じゃないの?
みつばちの飼育自体が奴隷契約なんじゃないの?

電話で矢継ぎ早にこんな質問をされたら冷静に、丁寧に答えられる自信がありません!

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そもそもセイヨウミツバチにとって人間、養蜂家は必要か?
学術的な内容は置いておいて、草野の10年の経験で導き出される答えは、

現状、必要です。

①最大の天敵、ミツバチヘギイタダニの存在。
春とても元気な蜂も、何も対策をしなければ秋には5割は全滅です。
そして残りの5割も冬を超える力を蓄えられず、翌春には全て全滅です。
大袈裟に書いたようで、実際そうなってもおかしくないのが現状です。
セイヨウミツバチ養蜂家にとって最大の課題です。

②天敵オオスズメバチの存在。
お盆過ぎに現れるミツバチハンターです。
ミツバチをとことん殺していきます。
この時期にダメージを受けると冬越えができず、翌春には全滅です。
養蜂家はひたすらオオスズメバチを退治します。

自然界の食物連鎖に放り出すと以上の理由で全滅です。
草野も養蜂家を始めた当初①、②で相当被害を被りました。
全て死んでしまった年もあったような…

③はちみつ溜すぎ問題
これはある意味うれしい悲鳴にして、最大の共存の理由かもしれません。
働き蜂はせっせとはちみつを運んできては巣に溜めていくのですが、それが活発になりすぎると、女王蜂の産卵の場所さえも埋めていきます。
そうすると赤ちゃんが生まれなくなり、その世代の仕事をするミツバチがいなくなり、ミツバチの社会構造が崩れ、全滅に向かいます。
ある程度のタイミングではちみつを取り出して(収穫して)やることで、産卵場所を確保します。
暑い時期に特に起こりやすい現象です。

大きくは①〜③の理由で、ミツバチが幸せに生きれるために養蜂家は必要だと思っています。
とりあえず、現在はそういう認識です。
自信は…あまりないですが、少なくとも今飼育しているミツバチをしっかり守ってやろうとは思っています。

はちみつ草野のミツバチが幸せだといいなぁ…

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https://mitsukusa.thebase.in/

ミツバチからの搾取

先日の全4回の展望シリーズを受け、いくつかお問合せをいただいたので回答。
特に重要なのは最後の③です。

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①販売価格、送料無料の関連について
養蜂業界も、他の業界と同じく年々資材が高騰しております。
不足状況がひと段落したら元の価格に戻ればいいのにと思いますが、なかなかそうならないものです苦笑
合わせて昨年の大凶作が引き金となり、はちみつ草野は存続の危機に陥っております。
販売価格を上げることも一つの手であろうと思いますが、まずは自分のところでできることを考え、
  ・販売価格は据え置き
  ・600g、1200g等のサイズを減らし、サイズをまとめることで、資材のコストダウン。
  ・送料無料ラインを5050円から6000円に変更
  ・パッケージの見直しによりコストダウン(後日公開
そういった形の努力とさせていただきました。

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②注文方法の変更について
おかげさまでご注文数は年々増加しております。
そうした中で
  ・FAX注文中止
  ・電話注文中止
  ・SMS注文中止
  ・直接販売はちみつ草野OnlineShopのみ
とさせていただきます。
理由は、そもそも草野がミツバチを飼育する時間を圧迫し始めたからです。
このままいけば、皆様に選んでいただいているはちみつを収穫することができなくなります。
申し訳ございませんがお客様対応の時間を減らし、良い蜂を育て良い蜂蜜を採る、根本的に大切なところを重視させていただきました。
それと私生活の変化もありますが、これはまたどこかで…

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③そして何が変わるの?
ワクワクしてるのは草野だけでしょうか笑
はちみつが手に入らなくなるんじゃ?と心配の連絡もいただいております。
①や②のような物理的な変化は基盤整備で、その他に草野の心構えが変わります!
とても抽象的!!

例えば食料品や、衣料品、その他多くの商品が海外から日本に入ってきます。
その中には、過酷な労働条件で、半ば搾取されるような形で生産されているものもあると聞きます。

それをミツバチの世界に置き換えてみてください。
ミツバチから搾取したはちみつ!と念じながら食べてみてください。
美味しいはずがありません。

ここでいう搾取とは、無理なはちみつの収穫のことです。
例えば、『桜のはちみつが美味しいから欲しい』と言われれば草野も人です、それを採ろうと頑張ります。
年によってはそれは容易ですが、そうでない年もあります。
そんな時、『頑張ってとりあえず桜にした』というのをやめます。
この『頑張って』は草野か、ミツバチか、天候か、そういう変な頑張り方のはちみつは収穫しません。

これはどんなはちみつですか?
幸せミツバチから収穫したはちみつです。

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第4回『これはどんなはちみつですか?』

◎『これはどんなはちみつですか?』
×『これはなんのはちみつですか?』

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ここに何かまとめを書こうと考えたけどまとまらなかった笑

消費者目線で考えることは商売として大切だろうけど、その消費者目線も色々。

自分に最も負荷がない正直な方法で、そしてそこに出来うる努力を足して、実現できる養蜂業を目指したい。

これを5年間の目標にしよう。

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ここまで読んでいただいてありがとうございます。

抽象的な話が続きましたが、次の5年間で草野が具体的に何かしたいことは

①はちみつの採り方
②日本ミツバチ
③有機養蜂

大まかに以上の3つです。

今年も良いものを提供できるよう頑張っていきます!

第3回『山桜を採るために無理はなかっただろうか。』

ずっと心の奥にちくちくしてたやつ

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ミツバチはしゃべらない。
何をしてもダメとは言わない。
時にはとてもアグレッシブで激痛を伴う方法でアピールもしてくるが、それさえ気にしなければ、いかようにでも扱える。

こういう蜂蜜が欲しいと思えば、そのように採っていける。
それが簡単な年もあれば、少し無理をしてそうしていた年もあった。

大人気の山桜のはちみつは

草野が必要に駆られ採ったはちみつなのか、ミツバチが十分満たされた上での余剰だったのか。

苦労話なんて言ったら美談のようだけど、ミツバチからみたらそれはしなくていい苦労だったのでないか。

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10年間続けてきた枠組みでは無理が出るようになってきた。
はちみつの収穫地も変わったし、収穫方法も変わった。
気候条件や花の開花時期も安定しない。

山桜
菜の花
桜菜の花

里山の花々春搾り
アカシア
海辺の花々
里山の花々夏搾り
夏のはちみつ
HONEYWHIP

枠組みを見直そう。

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